命をつなぐバイオリン。ドイツ映画がナチを描く
ドイツ映画。なのにナチのソ連進行そしてユダヤに対するホロコーストまで描いている!アイアン・スカイのユリア・ディーツェのインタビューで「ドイツではナチを映画で描くことはタブー」とあったけど、この映画はそのタブーに挑戦したってことなのかな?
原題は「Wunder Kinder」で意味は「神童」。あらすじはこんな感じ。
ウクライナに住むユダヤ人の天才少年バイオリニストのアブラーシュと天才少女ピアニストのラリッサ。音楽を通じて新しい世界へ旅立てると思った矢先にヒトラー率いるナチスドイツが侵攻が。そしてユダヤ人である2人に過酷な課題「全くミスのない演奏をしろ」が突きつけられる。
子役がうまい!バイオリニスト少年に至っては劇中の演奏はおろかBGMのバイオリン演奏もやってるんだとか!
全編少し悲しげなバイオリンの音色とウクライナの美しい景色が目立つ。そして、時間は短いけど戦争シーンの迫力はなかなかのもの。戦車が怖いんだよ!
ラストまで含めてぜひ見て欲しい。、オススメ。
以下、ネタバレ感想。
あらすじを見ると「なんとかミスなく演奏して助かるのかな」と思いきや、なんとピアニストのラリッサは演奏をミスして処刑されてしまう!
バイオリン、命つないでないじゃん!と思ったけどバイオリニストのアブラーシュは生き残ったから良いのか?
キャラクターを掘り下げられていたそれぞれの父親をはじめとした家族も命を握る大佐が「助けるのは無理だね〜。それより最新のガス処刑車見た?凄いよ!」とあっさり死亡!
この何も悪いことをしてない人、そして才能のある子供達ですら「ユダヤ人である」というだけで処刑していたという真実の方を映画は描きたかったのかもしれない。
上映劇場は多くないけど見る価値のある映画。